前回の記事(こちらから)に続いて、石坂産業様視察ツアーの振り返り後編をお届けします!
今回は写真をたくさん共有して、少しでも皆さんが環境への取り組み・石坂産業さんに興味を持っていただければ幸いです!
工場見学を通じて感じること
総じて、配慮と効率化がとてつもなく行き届いていると感じました。例えば、騒音対策。廃棄物処理の建物を囲い、二重の防音壁(緑化)で近隣へ配慮していたり、出入りする車は雨水利用で洗浄したり、工場脇に機会メンテナンス部隊があったり。全体の設計をとことん考えて設計されているのがよくわかります。
ここからは、工場内の視察について紹介。全てはご紹介できませんが、一部をまとめてみます!
コンクリートの処理について
まず初めに見学したのは、コンクリートを処理する施設です。実は石坂産業さんの強みはここにあります。土混じりの廃棄物は処理が困難だとのことですが、ここを細かく分別するために機会・手作業による細かな分別が行われていました。
土砂系のゴミは、写真左上の大きなふるいにかけられて選別され、細かなものは手作業にて分別。
さらに、写真にある重機は電気で動くタイプをメーカーと開発協力して導入。建屋の中も明り取り窓を多く設置して晴れた日は照明を使わないなどCO2排出0への取り組みも進んでいる!さらにさらに、リサイクル製品も開発していて、商品の紹介も。その際に、エミリーさんより「皆さんは家づくりの素材にリサイクル製品を使っていますか?」との質問が。多くの参加者が無言…(笑)
ブランディング先で参加した皆さんに、僕の古巣が取り扱う「オガファーザー(輸入:株式会社イケダコーポレーション)」は新聞紙のリサイクル壁紙だよ!教える一幕も。
混合物の処理について
続いて混合廃棄物の処理について。ここもロボットや手作業による分別を細かく行なっており、その緻密さが伺えます。木材の再利用も細かい違いがあったり、金属については削ったり音の違いで種類を判別したり(水栓の素材の数にびっくり!)、固形燃料に再生したり、こんなにもゴミは複雑で、けれど分ければ資源になるということに驚きの連続。普段、何気なく手に取るものを意識するようになりそうです。
廃棄物の中にグラスウールも見受けられました!ちなみに、最後の質疑応答での一幕ですが、こんなことを教えてもらいました。
①今出ている建築系廃棄物の多くは築30〜40年の建物が多い
②昨今の高断熱化で難しさが出ている=吹き付けのウレタンは剥がすのが大変!
③厚みが出ればその分ゴミが出る=サーキュラーエコノミーが重要!
とにかく手作業で分ける分ける!色で分かれたバケツに手作業で手選別!熟練の技感が凄くて、こういった仕事をしてくれる人がいるから、何も考えずにものを買ったり捨てたりできるのか、、、いや違う!考えなければ!そして、ロボットは木材だけを分別するそうで、普段ぼーっとしていることが多いそうですが、今回は調子が良く機敏に動いてました(笑)
ちなみに混合物には、どれだけ混ぜてはいけないと言っても混ざってくるものがあるそう。建築現場の廃棄での職人さんの意識はとても重要です。ちなみに参加者されていたある工務店さんでは、現場での廃棄を6種類に分けて2〜3年かけて言い続けて、きちんと分別を実現させているお会社さんもいました。
この混ぜてはいけないものを展開査定しているのが上記の写真部分。当然ですが、その分の費用もいただいているとのこと。これをスマートプラント化で解決を目指しているそうです。機械の力でより効率的になっていくといいですが、やはり細かなことは人の力も重要です。
木材は、パーティクルボードやハイベストウッドなどのリサイクル製品にしたりもしている。さらに細かくしたチップはすぐに分解されてしまう堆肥にもなるそうです!しかし、薬品や塗料や接着剤が付いた木材は複雑で分別しにくく、燃やすしかないということで、バイオマス代替燃料になるそうです。
ちなみに、日本の80%リサイクルというのは、海外では実際は20%だと言われるそう、、、(えっ…)その差の60%はサーマルリサイクルだという現実。
知らなかったのですがリサイクルには、3種あるそうです。(これは帰ってから調べました)
①マテリアルリサイクル:廃棄物を新たな製品の原料として再利用する方法
②ケミカルリサイクル:廃棄物を化学合成で他物質に変えて、その物質を原料にして新たな製品を作る方法
③サーマルリサイクル:廃棄物を燃やすときに発生する「熱エネルギー」を回収して利用するリサイクル方法
熱を回収するだけでリサイクル!?マジか!!そのサーマルリサイクルがほとんどという現状。これは由々しき問題ではないだろうか。そして、それが進まない現状の多くは「知らない=無知」が故なのではないだろうか。改善したいものです。
木材や金属の処理について
続いて木材の処理場へ。木材は細かな粉塵がとても出るものです。なので、石坂産業さんでは集塵機を重視しており、その設備について解説を受けました。集塵機は粉塵を吸い取る機械で、周辺の農家への影響や働く人の環境のため重視しているそうです。全体電力の4割を使っているという現状がありますが、それほどに気を遣っている部分だとも言えます。そして、溜まった木材はRPF(燃え切る固形燃料)になるそうです。
※ちなみに、電力はグリーンエネルギーだけを販売するハチドリ電力を利用しているとのことで、これもCO2排出が0!!弊社ブランディング先でも既にこのハチドリ電力に切り替えてもらっている先がいくつかございます!お繋ぎできますよ!
ちなみに、これがそのRPF(固形燃料)です
続いて、金属の処理場へ。
複合的なものが多く、それを分けているのがここ。ここは労力がかかるそうですが、分けられると特に資源になる部分でもあるとのことで細かく作業されていました。
金属の見分け方は素人目にはわからず、難しい。まずは強力な磁石を用いて鉄を分別するそうですが、その先は様々な方法を用いて分別しているそうです。さらに、音の出る作業が多いため、防音壁の高さは13m。徹底していますね。
そして石坂産業さんが守る里山へ
自然豊かな里山は東京ドーム4個分ほどの大きさを管理されているそうです。(近隣農家さんから借りて管理している)そして入場には、保全費をもらい、中で子どもたち遊べる施設を併設させてそこの利用券を渡しているそうです。環境保全と子どもの教育を両立している!!
こちらは、間も無く公開のバイオマストイレ。微生物の液?で、綺麗になった水をさらに藻を6回ほど通して再利用できるようにしているそう。それらは植物の液肥にしたりしているそうです。土の再生や、堆肥を使った土づくり、パンの発酵、こういったことに着目した時にわかるのが「微生物の重要性」。だからこそ、自社のスタンスを示すためにもバイオマストイレを作ったとのこと。ブランディングをする身としてはこの世界観を徹底して作り込む、良いと思って邁進している姿は見習うものがありました。
そして、とにかく子どもたちの遊べるスポットがたくさん!アスレチックや神社(まさか中にしあわせ神社たるものが!)などを広げたのには理由があるそうです。森を守っていきたいという想いから神聖な神社を作ってしまった(不法投棄されにくくなる)!周辺住民から石坂産業が土地を広げているという不安も広がったために解放しているそうで、ここが石坂産業さんの会社施設だと知らずに利用しているご家族連れも多いそうです。気づかれないというところまでいくと、本当の社会奉仕ですよね。すごい。
さらに、森の管理にもこだわりが。
森はそれぞれで高さの違う木々を育てているそうです。それは日のあたりもそうですが、生物多様性のためでもあるとのこと。さらに落ち葉堆肥も作っていて、およそ1年かかるものを人の手を入れ、空気を混ぜることで8ヶ月ほどで落ち葉の山が堆肥になるそうです。
ミツバチも育てていたり、オーガニックな野菜や草花も育てていてそれをレストランで食べることができたり、パンを焼いて販売されていたり、世界観がとにかくすごい!私が前編記事の冒頭で家族を連れて行きたいと書いたのもこのためです。知るだけでなく、体験を通じて楽しみながら無知を解消することができる世界。本当に感動ものです!
最後に参加者による交流の時間を過ごす
質疑応答でも色々な質問が飛び交いました!詳細は割愛しますが、弊社ブランディング先の工務店さん3社が率先して質問してくれる姿を見て、意識が高まっているとこうも積極的になるのか!と感動。
印象的だったのは太陽光のリサイクルについて。石坂産業さんも施設を導入されるようで、NTCというホットナイフというガラスをセパレートする機会を導入し、ガラスはガラス屋さんでリサイクル、セルシートの方は買取してもらう、残りの金属も買い取りとのことで、そこまで分別してリサイクル可能なら太陽光も悪くないね!というか必要だしね!グリーンエネルギー!!
最後には、参加者同士のグループワークで何を感じたのか?今日から何を行動しようと考えたのか?についてをグループ内でディスカッション!僕が参加したグループでは、やはり最終は教育が重要だという結論に至りました。それは僕も思うことで、環境を変えるためには、なんならどんな物事でも企業や政治を動かしていくには始まりである「教育」が大切です。
さらに、他のグループの発表でとても印象的な言葉が!
「僕らのメンバーでは、今からゴミという言葉は使いません。これからゴミは資源と言います。」そうだ!資源なんだ!ということでシンプルに合点がいった発表会となりました!
そして集合写真。とても有意義な時間を過ごすことができました!主催されたロングライフラボの皆さん、石坂産業さん、本当にありがとうございました!長くなりましたが、感じた物事を詰め込んだブログになったと思います!最後まで読んでいただきありがとうございました!